【問題提起】
行政書士は、正当な理由がなく、その業務上取り扱った事項について知り得た秘密を漏らしてはならないとされています(守秘義務)(12条)。
ただ、秘密を漏らした場合でも告訴がなければ公訴を提起することができません(親告罪)(22条1項2項)。
なぜ、この場合は親告罪となっているのでしょうか?
【なぜか?】
被害者の意思を尊重するためです。
秘密を漏らした行政書士を罰するためには、公訴を提起して裁判にかけなくてはなりません。そうなると、裁判の中で被害者のプライバシーが明かされることにもなりえるので、被害者が裁判をやりたくないと思えばやらずに済まそうという趣旨です。
また、秘密を漏らされたとしても、漏らされた本人が被害を受けたと思わなければ、あえて公訴を提起して裁判をする必要もありません。
そのため、秘密を漏らした場合は親告罪になっています。
【ちなみに】
行政書士をやめた後も、同様の守秘義務は課されています(12条)。
また、行政書士法人の使用人やその従業者にも守秘義務は課されており、やめた後も同様です(19条の3)。 |