【問題提起】
行政庁が権限を委任するには法令の根拠が必要とされています。
なぜでしょうか?
【なぜか?】
法令の根拠なく委任ができてしまうと、行政庁が法令を破ることになってしまうからです。
権限の委任とは、法令で定められている権限の所在を他に移すことです。それを行政庁の意思だけでできてしまうと、行政庁は法令で定められていることを無視できる結果になってしまいます。
法令で定めていることを変えるには、法令の根拠が必要であるということです。
【ちなみに】
行政庁は、権限の一部の委任はできますが、全部の委任はできません。これは、全部委任できるとしてしまうと、委任庁の仕事がなくなるからです。
また、授権代理には法令の根拠は必要ありません。これは、法令に定められている権限の所在が移らないないからです。 |