【問題提起】
行政庁が許認可等をするかどうかの判断基準(審査基準)は行政上特別の支障がない限り、設定・公表は義務になっています(5条1項、3項)。
それに対し不利益処分に関する判断基準(処分基準)の設定・公表は努力義務になっています(12条1項)。
なぜ、このような違いがあるのでしょうか?
【なぜか?】
審査基準の設定・公表が義務になっている理由は、公正の確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護するためです。
国民はどのような基準で審査されるかが公表されていれば申請も行いやすいですし、「裏に何かあるんじゃないか」というような疑念も持ちません。
そのため、行政上特別の支障がない限り、審査基準の設定・公表は義務となっています。
それに対し、処分基準の設定・公表が努力義務になっている理由は、処分を受ける国民の事情が人それぞれのため、画一的に設定することは難しいからです。そして脱法行為を防ぐためです。
処分基準が公表されてしまいますと、その抜け穴を探して、不利益処分を受けないように悪いことをする国民が出てきてしまいます。
そのため、処分基準の設定・公表は努力義務となっています。 |